<2002.2.3>  残雪の中で。

・・・ 晴れ ・・・

前日までの断続的な雪は 猟場の尾根筋に40センチ程の積雪を残し 思うように足も先へと進まず
各持ち場への連絡は 広い狩山で 無線の呼び出しに誰も答えてこない。

山裾の林道沿いの見切りで 子連れの14〜15貫の入りを確認 後は放犬場所までの尾根見切りで
出のワリが無ければ 全てOKとなる。
連絡の取れない 待ち場5名は
ジリ々としながら自分の持ち場を
守っているのだろう。

山の頂上へ僅かばかりの
小さな池となる所で前夜のワリ。
山裾で見切った子連れと見える
残念狩山は抜けているようだ

マ 仕方無い 幾つかの鹿は
残っていると見て それを追う
事としよう。
その場へ座り込み 勢子2名へ頂上東から回りこんでの 放犬入山を頼み見送る。

程なく 到着入山の報告を無言で聞き 息を殺し鹿の現れるであろう 一点を見据える
二頭の紀州犬は東へと跳び戻って来ないようだ・・・。
自分の下方を一人の勢子が過ぎて行くのを見計らい 舞い上がる鹿の迎え撃ちを依頼
東へと移動する・・・・勢子の入山点を横目で見送り 狩山の奥へと進む 幾つかの鹿の寝屋を
確認し逃走方向を見定める 大部分が反対の山奥に向いている これでは待ちへは向かわない

切れ込みがきつく 物があまり
近寄らない 谷の上部へと出て
密集した笹薮の中で 東へと
跳んだ 犬の跡を見つける・・。

ここから抜けたのか?”

その僅かばかり下部に付いた
狩山へと向くワリへ目が止まる

”でかい・・。”

30貫は有ろうかと言う 渡りだ
急ぎ勢子への連絡 上手の
勢子も このワリを見つけたよう
で 追跡を始めている返事に
元ワレへと座り込む。
幾らかの時の経過に 勢子よりの一報。

”残念 裏山へ抜けた。”

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新年を迎えてからの今猟期は 出猟日の天候に恵まれず あまり良いシーズンでは無かった。

それに この記事中で使用した紀州犬の一頭が 帰らぬ犬と成ったのも 気持ちを暗くする一因か。


                                                OOZEKI